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2014年9月17日水曜日

右下腹部痛

<右下腹部痛>
☆痛みの部位に一致する腸管の狭窄/狭小化と口側の軽度拡張、少量腹水があれば絞扼性腸閉塞にまではなっていない捻転や絞扼かも。腸管の細くなっているところを探すこと!
  ・若年
  ①発熱あり
  急性虫垂炎⇒造影CTを。盲腸の拡張+小腸拡張あれば麻痺性イレウスで穿孔の可能性あり。free airや腹水もチェックする。Migration of pain(1点),Anorexia(1点),Nausea(1点),Tenderness inRLQ(2点),Rebound(1点),ElevatedBT(1点),Leukocytosis(2点),Shift(1点)とし、7点以上なら感度93%特異度85%で虫垂炎。
  注意)保存的療法での虫垂炎切除術を要する累積再発率は、1年、2年、3年、5年追跡時でそれぞれ9%、12%、12%、13%であり、8年後の虫垂切除術の未実施率は86±1.3%であった。
  ②尿潜血陽性
   尿管結石かも⇒単純CTで結石の大きさを調べる。8mm以下なら自然排石を待つ。それ以上なら翌日泌尿器科受診を指示。
  ③妊娠反応陽性
   子宮外妊娠かも⇒腹部エコーとともに婦人科call。腹部エコーは排尿の前にしないと見えにくい。高感度妊娠反応が陰性なら外妊が否定できるわけではないが、緊急性は少ない。2,3日後の妊反でも陰性ならほぼない。妊娠反応陰性の外妊破裂などありえない(妊娠反応が陰性な段階の大きさの受精卵が原因で卵管破裂しないという意味)
  ④月経不順
   PID(卵巣炎)かも、排卵時痛か?
       cf)女性で骨盤内に盲端のabscessに見えるものがあれば、子宮留膿腫や卵巣膿瘍や卵巣嚢腫を考える。
  ⑤若年女性で七転八倒する激痛
   卵巣茎捻転かも⇒卵巣が30㎜以上で造影不良と周囲の濃度上昇、卵管の一部狭窄
  ・中年、老人
  ①発熱あり
   急性虫垂炎かも
  ②尿潜血陽性
   尿管結石かも
  ③尿潜血陽性+Af/透析中
   腎梗塞かも⇒造影CT
  ④血便あり
   憩室炎(発熱+腹痛)、憩室出血(腹痛なし、ワーファリン内服あり)か虚血性腸炎(軟便→下血のパターン、腹痛もあり)かも
  ⑤高血圧や喫煙歴あり
  右総腸骨動脈瘤破裂かも

<女性の右下腹部痛>
・妊娠反応陰性+卵巣腫大(3-4cm以上)+骨盤内血性腹水(30HU以上)→黄体出血
・妊娠反応陽性+骨盤内血性腹水(30HU以上)→子宮外妊娠
・片側の卵巣腫大(多くは6cm以上)→卵巣茎捻転
cf)
・左(右)卵巣からの出血でも右(左)下腹部と訴えることもある。
・単純CTでもhighに見える腹水は血腫。
・増殖期(1-2週間)→排卵→黄体期(2週間/体温上昇)→月経
・排卵時に少し出血したり痛みがあることもある(卵胞出血、排卵時痛)。
・黄体は正常でも3-4cmになることがある。
・卵巣出血は排卵時の卵胞出血か、黄体期中期(最終月経初日から20日)の黄体出血が多い。
・黄体出血は左側はS状結腸がクッションになるので右側に多い。経過観察で自然出血することが多い。
・妊娠反応陽性なら子宮外妊娠が多い。出血性ショックになることもある。救急搬送が必要。
・月経周期について
 増殖期は約14日だが個人差あり、黄体期は全員14日
 内膜:増殖期①②→分泌期③④→月経⑤
 卵巣:卵胞期①②→黄体期③④
 ①FSH↑により卵胞発育→卵胞周囲の顆粒膜細胞からE分泌
 ②E↑↑→GnRH↑↑→LHサージ→排卵、E↑により子宮内膜機能層増殖
 ③排卵後の卵胞が黄体になり、P分泌
 ④Pは代謝亢進(体温上昇)、子宮内膜機能層増殖をstop&保持
 ⑤黄体が白体化しP↓、子宮内膜機能層剥離(月経)

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