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2014年9月17日水曜日

入院させた後に気をつけること

<入院させた後に気をつけること>
☆ムンテラは厳しめにするが、元気そうな患者の家族にいきなりDNARか聞かないこと。
☆検査値異常を見逃さないために、その日の異常値の項目を全て時系列で見ること。自分がよく知らない項目の見逃しが防げるし、大きく変化している場合は正常範囲でも何か意味がある。
☆CRP正常でも以前よりWBC,Neutro上昇あれば感染の可能性が高い。
☆同じ抗生剤を10日以上続けていないかチェックする。
→CMZ,ワイスタール,セフォチアム,クラビットなどに順次変更していく。
☆CV留置中は発熱の有無を常に確認する。刺入部の発赤とspike様の発熱はカテ感染。
☆inとoutの量に気を配る。特に心不全ある人はすぐに溢水になってしまう。
☆心拡大=溢水ではない。口渇やBUN/Cr、尿比重、Na濃度などで総合的に判断すること。
☆体格小~中等度なら1500ml、大柄なら2000mlで開始し、2-3日の尿量を見て増減することが大切。
☆抗生剤も点滴変更も効果が出るのは2、3日後。
☆尿量が正常でも、以前より3割以上減っているのが2日以上続いているなら、点滴量や食事量を見直す。
☆尿量減少時は、点滴量を見直して明らかな脱水あれば補液する。それ以外はラシックス1A静注で対応する(2A1日2回まで)。心不全や肝不全あれば尿量減少するがバソプレシン分泌低下により尿が薄く少なくなる。尿が濃く少ない場合は単純に脱水か、低Albにより膠質浸透圧の低下から血管内脱水になっている場合もあり、血管内脱水では安易に点滴を増量すると胸水が溜まって酸素化が悪くなってしまう。
cf)尿量減少時の対応
 ・尿色濃い+皮膚湿潤→点滴は絞り気味、SpO2低下あればラシックス1A
 ・尿色濃い+皮膚乾燥→点滴増量
 ・尿色薄い+皮膚湿潤→心不全、腎不全→SpO2低下あればラシックス1A
☆尿量減少時は、腹部エコーで水腎症ないか確認し、溢水か脱水かの評価するためIVCを測定する。心臓から2cmのところで測定し、プローブを縦にして吸気時/呼気時ともに1桁mmなら脱水、ともに2桁なら多め、20mm超えてれば溢水。
☆明らかな腎不全なく多尿の場合は一過性かもしれないので経過観察。
☆補液が多くて多尿は当たり前で心配なし(多すぎて肺水腫なることあるが)、補液が少なくて乏尿は見逃すと腎不全になる。
☆軽度のCr上昇時は500ml1本程度を5日ほど補液すると良い(ヴィーンDなど)。
☆拘縮が強い場合、滴下調節しても体位によって点滴が3時間くらいで全部落ちてしまうことがある。
☆浮腫やSat低下ないか見る(発熱+Sat低下は肺炎、発熱なしのSat低下は胸水→点滴量多くないか)
☆状態が悪くなってくると多臓器不全から腎不全になり尿量が減少してくる→1号液を500-1000mlでよい。
☆DM持ちはインスリンスケール対応を忘れないように。
☆消化管手術後、ERCP、急性膵炎後など序々に食上げするときは常食になるまでスケール対応。
☆通常のスケール対応のインスリンの針は太いので、手持ちがある場合は速効型でスケール対応、持続型は通常通りの単位数にする。
☆指示出し後では当日昼の内服から始まるので、指示出した当日は昼夕、翌日から朝昼夕の処方にしておくと定期に合わせやすい。
☆誤嚥起こしそうな人(脳梗塞後、寝たきり、肺炎反復)ではST評価(VFなど)。
☆食上げの順は(おかず)ゼリー⇒ミキサー⇒きざみ⇒軟菜、(米)ミキサー⇒5分⇒全粥。
☆食種:DMはDM食(EC1400等)、ワーファリン服用中はワーファリン食で納豆禁止、心不全は塩分6g未満、貧血は貧血食、ERCP後は胆膵食(FC20-1400など)、胃切後は5回食、ステント留置後は5分粥まで。
☆入院が長期化すると嚥下機能も落ちるので高齢者は嚥下食で留めておく。
☆ムースで咽頭貯留あるときはミキサー食。
☆状態悪いときは嚥下機能も落ちるので、状態改善したら嚥下機能も再評価する。
☆食事量が半分切れば1-2本、3割切れば2-3本点滴を入れる。
☆感染では培養結果を必ず見て、必ずde-escalationすること。
☆潰瘍止血後は露出血管あるかないかをチェックする。
☆PEG/CV/腰椎穿刺/ERCP予定はワーファリンやアスピリン服用歴ないかチェック。
☆経口摂取不可ならCV/NG/PEG/看取り(点滴)のどれにするかIC。
☆退院近いなら帰宅先は自宅か施設か。独居か同居か。
☆シャントがある腕にルートをとるときは、シャントより末梢の尺側手背からとる(シャントより遠位でとってつぶれることは避ける)。
☆造影剤/ケモ投与後の穿刺部発赤は、次回投与前にサクシゾン100mg+生食100mlを投与する、投与スピードを倍にする、腕を変えるなど。
☆ユナシンやセフィロームで薬疹が出る時はアザクタム(1g+生食100mlを30分かけて1日2回)に変更する。
☆造影CTがどうしても必要だが、腎障害がある場合は、検査前に300ml(心不全あるときは150ml)生食をボーラス投与し、検査後は1ml/kg/hrで12時間生食投与。造影剤は50-100mlにする(ヨード含有量が300mg/dlの造影剤の場合)
☆プレドニン30mg/日以上投与中は、血糖測定、パリエット10mg1T/1x、ボナロン(BP:ビスホスホネート)35mg/1x起床時(第2,4週の金曜日)、5%ハリゾン(アンホテリシンB)シロップ含嗽液(480ml)1本1回20mLでうがい後に服用1日3回、ダイフェン(S400mgT80mg)1T/1x月水金投与、胸部レントゲンを週1回、β-Dグルカン、CMV-C7HRを2週間毎に測定する。
☆誤嚥性肺炎でも抗パ薬、チラージン、ステロイド、抗痙攣薬などはNGtubeから投与する。
cf)一般病棟入院時の説明:
①高齢者特有の危険性
・回復の遅れ、低下、食べられない、寝たきりになる→寿命では?
・そうなる場合にどうするか?点滴(末梢?中心静脈?)?経管栄養?自然(看取り)?
・ある程度元気になった場合は行き先の検討
②認知症の進行
③内臓器官の機能低下及び誤嚥性肺炎などの余病併発
④転倒、骨折の危険性
⑤突然急変する可能性(心筋梗塞、肺塞栓、誤嚥など)
・起こった場合の対処法(蘇生、自然に任せる)
・結論出るまでは蘇生を行う(30分ほど)が、回復の見込みはほとんどなし→脳死になる
・心マ、挿管をするかどうか
⑥せん妄になった場合は鎮静剤の使用、拘束、付き添いなど必要になることがある
cf)回復期リハビリ病棟入院時の説明:
・診療報酬がマルメになるため、薬剤を後発品に変更することあり。検査も必要最小限。
・急変が生じた場合は一般病棟や他の急性期病院へ転院が必要。
・夜間、救急時は当直医の対応になる。
・入院期間の上限あり。肺炎後などの廃用症候群は90日間。脳血管障害は150日か180日。この間に介護保険の変更手続きをとり、自宅の準備を整えたり、今後の行き先の検討をする。
・リハビリの成果が家族、本人の思うような場合でなかったとしても期限が来れば退院が必要。
・リハビリ処方箋に担当医、病名、発症年月日、入院年月日、経過、治療目標(拘縮予防、ADL改善など)を記載する。栄養管理計画書の病名、担当医名を記載する。リハビリ総合実施計画書の主治医、担当医、原因疾患を記載する。褥瘡対策に関する診療計画書の医師名、危険因子の評価を記載する。リハビリを保健請求するために、カルテに「目標設定等支援管理シートについて説明し、家族の了承を得た」と、記載すること。
☆入院時検査と指示
・血圧、SpO2、体温は1日1-3回測定、尿測は基本不要、体重測定 4週に1回測定など。
・入院時採血、検尿、胸腹部レントゲン、心電図、咽頭粘膜塗抹培養/感受性、持参薬継続かどうか、吸痰1日8回以上の指示。
☆入院時の異常時指示
(①が優先度高い)
注意)胃瘻の患者で発熱時にカロナール内服を指示すると、通常は病棟で粉砕し水に溶かして投与するか、50℃くらいのお湯に溶かして投与する(簡易懸濁)。あまり頻繁なようなら、カロナール粉砕を発熱時頓用5回分などあらかじめ処方しておく。クラビットはフィルムコーティングしてあり粉砕して溶かして注入すると詰まることがあるため、クラビット細粒を使う。
発熱時:
①カロナール200mg2T
②ロキソニン1T
③ボルタレン坐薬25mg(腎障害あるときはしない)
④メチロン250mg/1mL 1A筋注
cf)血圧低下時の解熱の基本は、①クーリング、②カロナール内服、③アセリオ点滴(1000mg/100ml1瓶→300mg/30mlを生食100mlなどに溶かして15分で点滴する)→アンヒバ坐薬はよさそうだが・・・(坐薬は嫌がることが多い)→ボルタレン坐薬やメチロン筋注は避ける!!
疼痛時:
①カロナール200mg2T
②ロキソニン1T
③ボルタレン坐薬25mg (腎障害あるときはしない)
④ペンタジン15mg 1A筋注
不眠時:
①ベルソムラ15㎎(長期間BZP内服時は持参のBZPを1週間ごとに0.5~0.25Tずつ漸減しながら併用)
(以下はせん妄時は中止)
②マイスリー10mg 0.5T
③②無効時はさらに0.5T追加
④レンドルミン0.25mg1T
嘔気時:
①アタラックスP1A静注
②プリンペラン1A筋注(もしくはプリンペラン1A+生食20ml静注もしくはメイン点注)
③ノバミン1A筋注
④ナウゼリン坐薬1個
不穏時:
①テトラミド1T(レスリン、デジレル、リフレックス、レメロン)内服
②リスパダール1包内服(1日3回まで、1時間あけて)
③セレネース1A筋注
④セレネース1A+生食100ml 100ml/hr入眠ストップ
⑤セレネース1A+ロヒプノール1A+生食100ml 100ml/hr入眠ストップ(BZPを半年以上服用し、休薬による反跳性不眠を疑うとき)
⑥家族Call
便秘時:
①摘便
②レシカルボン坐薬
③GE浣腸60ml
④プルゼニド2T
血圧200mmHg以上:
①アダラート5mg 1C内服
②フランドルテープ40㎎1日1枚(内服できないとき)

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