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2014年8月17日日曜日

上腹部痛

<上腹部痛>
  ・若年⇒急性虫垂炎の可能性を念頭に。
   ①喫煙/NSAID/ストレスあり
   AGMLか慢性活動性胃炎かも⇒ひどい時はオメプラール20mg 1Vを生食100mlに溶かして30分かけて静注し、ランソプラゾール(タケプロン)15mg2錠朝食後7日分を処方し経過見る。H2blockerは内服後2~3時間で十分な胃酸分泌抑制、PPIは2~3日後に強力な胃酸分泌抑制効果(→即効性を期待するならH2blocker)。
   ②発熱あり
   急性虫垂炎の前駆症状かも⇒採血と腹部エコーするか、ひどくなければ右下腹部痛になってきたらすぐに来院するように指示。特に関連痛が示唆されるとき(漠然とした痛み、倦怠感強い)。急性虫垂炎初期は右下腹部痛はないこともあり、あっても軽度で鈍痛。しかし100%食欲なく、倦怠感も強い。
   ③月経不順あり
   Fits-Hugh-Curtisかも⇒下腹部痛から半月程して上腹部痛きたす。排尿時痛ないか聞く、検尿検査、クラミジア感染ないか抗体チェック。クラビット100mg5錠分1を5日分処方し、後日、婦人科受診を指示。
   ④嘔気や嘔吐あり
   ブ菌性食あたりかウィルス性胃腸炎初期⇒ミヤBM3g分3を処方し経過見る。水溶性下痢がなければウィルス性胃腸炎とは断定できない。他の上腹部痛の原因がないことを確認する。
    DKAかも⇒尿中ケトン体、デキスターをチェック。
  ・中年⇒AOSCの可能性を念頭に。
   ①喫煙/NSAID/ストレスあり
   胃潰瘍、胃癌、十二指腸潰瘍かも⇒体重減少の有無を聞く。PPI処方し、必ずGIF予約。 
   ②肥満あり
   GERDかも⇒PPI処方とGIF予約。腹単で食道裂孔ヘルニアが分かることも。
   ③喫煙/HTN/HL/DMあり
   まずACSを否定する。
   ☆ST変化は隣接する誘導で1mm以上であれば有意とする。
   ☆胃痛か狭心痛か判別できない時(STが1mmを超えない程度に上昇or低下しているが、TropTやラピチェックは陰性の場合など)はニトロペン舌下錠0.3mgを投与し、15分後に心電図再検する。帰宅させる場合は狭心痛の可能性が否定できないため、後日の循環器受診とニトロペン舌下錠0.3mg3回分を処方する。
  ・老人
   ①ワーファリン/バイアスピリン/プラザキサ:
    出血性胃潰瘍かも⇒頻脈やふらつき/気分不良あれば、レクタールをして黒色便や便潜血ないかチェックする。何もなければPPI処方して、GIF予約。 
  ・右季肋部痛や左季肋部痛を上腹部痛と言っていることがある。特に飲酒歴や喫煙歴がない場合(胆石発作や総胆管結石初期の見逃しが多い。胆嚢炎やAOSCなら発熱あり気づくが。単純CTと採血は推奨)。

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