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2014年9月26日金曜日

免疫抑制、化学療法開始時のHBV再活性化リスク評価について

☆免疫抑制、化学療法開始時のHBV再活性化リスク評価について
・免疫抑制、化学療法を開始する前に、まずHBs抗原を測定しHBVキャリアかどうかを確認する。
・HBs抗原陽性のHBVキャリアは、HBV再活性化の高リスクなため、肝臓専門医にコンサルトし、核酸アナログ製剤を投与。
・HBs抗原陰性例は、HBs抗体およびHBc抗体を測定して、陽性であれば既往感染者と判定する。
・HBV既往感染例でも免疫抑制、化学療法を行うとHBVが再活性化するリスクがある。
・HBc抗体、HBs抗体のうちどちらか一方しか測定ができない場合は、HBc抗体をまず測定する。ただし、HBc抗体陰性例でも再活性化が報告されている。ワクチン接種歴が明らかである場合を除きガイドラインに従う。
・HBV既往感染者と判定した場合はHBV DNA量を測定し、原疾患治療を開始する前に、一度肝臓専門医にコンサルトする。
・HBs抗原、HBs抗体、HBc抗体が陰性であれば、HBVキャリアでも既往感染者でもないため、通常の原疾患治療を行う。
・副腎皮質ステロイド、免疫抑制薬、免疫抑制作用や免疫修飾作用を有する分子標的薬を用いた免疫抑制療法では、治療開始後少なくとも6ヵ月間は、月1回のHBV DNA量のモニタリングが推奨される。
・免疫抑制・化学療法中にHBV DNA量が2.1 log copies/mL(20 IU/mL)以上に増加した場合、直ちに肝臓専門医にコンサルトし、核酸アナログ製剤(エンテカビル)を投与する。
・通常、ALT/AST値などの肝機能障害の指標は、HBVの増殖から数ヵ月遅れて上昇する。
・核酸アナログ製剤の効果発現には1ヵ月程度かかる。
・ALT/AST値が正常値を超えて上昇してからでは、HBV DNA量が著しく増加し、核酸アナログ製剤の効果発現がHBVの増殖に追いつかないリスクがあるため、HBV DNAが2.1 log copies/mL(20 IU/mL)以上になった時点で肝臓専門医にコンサルトし、核酸アナログ製剤の投与を開始する。
・その際、免疫抑制・化学療法を中止すると、原疾患の病態が増悪する可能性があるため、中止せずに肝臓専門医と相談する。

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